大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第二小法廷 昭和51年(オ)657号 判決 1976年10月01日

主文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理由

上告代理人小林宏也、同本多藤男同長谷川武弘の上告理由第一点について

原審が適法に確定した事実関係によれば、被上告人の所論所為をもつて、いまだ本件賃貸借契約の継続を不可能又は著しく困難ならしめるものとは認めるに足りないとした原審の判断は、正当として是認することができる。原判決に所論の違法はなく、論旨は採用することができない。

同第二点について

宅地賃貸借契約における賃貸期間の満了にあたり、賃貸人の請求があれば当然に賃貸人に対する賃借人の更新料支払義務が生ずる旨の商慣習ないし事実たる慣習が存在するものとは認めるに足りないとした原審の認定は、原判決挙示の証拠関係に照らして、是認することができ、その過程に所論の違法はない。論旨は、ひつきよう、独自の見解を主張するものであつて、採用することができない。

同第三点及び第四点について

記録及び原判決事実摘示に照らし、所論の点に関する原審の認定判断は、正当として是認することができ、その過程に所論の違法はない。論旨は、採用することができない。

よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 大塚喜一郎 裁判官 岡原昌男 裁判官 吉田 豊 裁判官 本林 譲 裁判官 栗本一夫)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例